事実の証明

心残りのまま永眠した 神谷 力 氏の手記。 トリカブト事件を冤罪と断定し、 判決の矛盾を鋭く指摘する。
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 事実の証明-5  (2013/01/05(土) 18:33:47)
 
  事実の証明-5

 カプセル服用の可能性

 友人たちと落ち合う予定時刻の午前一一時二O分から私と別れるまでは、第一
審当時私は、利佐子が私と一緒にいたのだからカプセル服用の可能性はあるだろ
うと単純に考えていた。しかし、利佐子は、友人たちが二階から到着ロビーに降りてく
るのを探している最中だ。到着の遅れたことがわかっていれば余裕もあるが、いつ
降りてくるかわからず間断なく探しており、落ち合えばすぐに南西航空のターミナル
ピルに友人たちと移動しなければならないから、カプセルを服用している余裕など
ない。

 このように検討してくると、午前一一時二O分以降のカプセルの服用は利佐子の
置かれていた具体的条件を無視すれば可能だというだけで、利佐子の具体的件を
検討すると服用は不可能だという結論になる。

 それでは、友人三人と落ち合う予定の午前一一時二O分より前に、利佐子がカ
プセルを服用した可能性はどうだろうか。利佐子がカプセルの服用を申告していな
いこと、夕食後でないこと、この二点を除けば、服用の条件としてはなんの障害もない。
問題となるのは、利佐子が最初の自覚症状を訴えるまでにカプセルを服用してから
二時間以上経過するということだけだ。ただし、この問題がもっとも重要なことだが。
判決の認定は、利佐子の置かれていた具体的な条件をまったく検討することなく
下されている。午後O時五三分以降のカプセルの服用は、友人三人の証言から一切
ありえないことは明らかにされているが、いま論じたように午前一一時二O分以
降のカプセルの服用も、利佐子の置かれていた具体的条件を検討すればその可能性はない。
判決も午前一一時二O分以降のカプセルの服用は不自然と認識したのか、二つの鑑定結果を示して、
判決が認定する発症時刻、午後一時一五分から二時間以上前の午前一一時一五分以前にカプセルを
服用した可能性のあることを推認する。

 それでは、判決が推認するように、発症から二時間以上前に利佐子が両毒入り
のカプセルを服用した可能性があるかを見ていくことにしたい。

トリカブト中毒の五つの症例

[症例1]

 平成元年四月、男性医師(五二歳) が採取した山菜(トリカブトをニリン草と誤
認) をおひたしにして医師は小皿に一皿、その長男は二つまみほど食した(同午
後六時五分) 、医師は食直後から舌のしびれを感じていたが、同六時四十分か
ら外出し同七時五分帰宅直後長男が口、手、足の痺れを訴えたのでトリカブト中
毒と直感し、強制嘔吐、医薬品の投与、人工透析等の処置を行った。医師は同
午後九時から不整脈が現れ、同午後十時には血圧が七十mmHgまで低下、冷
汗、皮膚温低下、悪心、嘔吐が続いた。同午後十時から十一時頃が最も症状が
強かった。また、痺れは翌朝四時前まで続いた。一方、長男は同午後七時過ぎに
は不整脈が出現したが同午後十一時頃には回復した。痺れ感も翌朝二時には消
失した。記録された心電図によると長男は医師よりも危険な不整脈を持ってい
た。医師は摂取量が多く症状は末期に近かったにも拘わらず、心電図所見が軽
症であったのは、医師が高血圧のために服用している持続型の抗カルシウム剤
アダラートL(一日二十mgを二回服用) のためではないかと推察している。

[症例2]

 平成元年八月、男性(四十四歳)は郵送されてきたクズモチを十切れ、その娘
(四歳)は一切れ半食した。男性は五分後に口及び体のしびれを感じ、摂取二十
分後に来院した。来院時不穏状態で発汗、嘔吐があり、足の麻痺があった。鎮静
目的で医薬品を投与したところ、呼吸抑制がみられたため人工呼吸を開始した。
この前後より大腿動脈の拍動触知不能となり、致死的不整脈を発症していたの
で、心肺蘇生術及び各種の医薬品による治療を行ったが、心停止となり、来院後
四時間で死亡した。
 その娘は、摂取五分後に口、手足のしびれを訴え、やがて歩行困難となり摂取
二十分後に来院した。受診時不整脈は認められなかったが、その五分後に悪心
嘔吐及び不整脈が出現した。直ちに胃洗浄や医薬品の投与等の処置を行った。
その後、医薬品の投与等の処置を行い、来院後九時間で不整脈は回復し、全身
状態も安定した。、

[症例3]

 平成四年四月、午前七時、男性(四十五歳) がトリカブトの根と茎を細切りにし
浸しておいた水溶液を自殺目的で服用し、同午前七時三十分に来院した。来院
時の主訴は口唇周囲のしびれ感であった。同午前七時四十五分に胃洗浄や下
剤投与等の処置を行ったが、同午前八時二十分には不整脈が現れ、呼吸停止
に至った。人工呼吸及び医薬品投与等の処置を行った結果、自発呼吸が戻り同
午前八時四十七分には不整脈は消失した。同午前九時から同日夕刻までわず
かに心室性期外収縮を認めるのみであった。

[症例4]

 平成四年二月、昼、女性(六十一歳) が自殺目的でトリカブトの根を食し、同十二
時三十五分救急外来を受診した。受診時、譫妄状態で血圧低下(七十mmHg)
、瞳孔散大、流涎、下痢、嘔吐が認められ、同十二時五十五分、突然、致死的不
整脈を発症した。直ちに、心肺蘇生術及び各種の不整脈剤による治療を行った
が、不整脈、心停止を頻回繰り返した。そこで心肺蘇生術施行下に血液吸着療
法を行ったかっか、開始後約二十分頃より不整脈や心停止の頻度が減少し、硫
酸マグネシュームによる不整脈のコントロールが可能となった。翌朝には致死的
不整脈は消失したが、心室性期外収縮は翌朝以降も持続した。

[症例5]

 平成五年四月、四家族八名が付近の山より採取した山菜(トリカブトをモミジガ
サと誤認) をおひたしにして食した。摂取約二〇分後全員に舌先先端部にしび
れを感じ、その後しびれ感は体幹及び上肢に広がった。八名中二名は摂取三十
分ないし二時間後に前胸部不快感、嘔吐及び呼吸困難を訴え病院で受診した。
受診時は不整脈はなかったが、その後不整脈が現れた。胃洗浄などの処置により、
摂取五時間後不整脈は回復し自覚症状も軽快した。

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