事実の証明

心残りのまま永眠した 神谷 力 氏の手記。 トリカブト事件を冤罪と断定し、 判決の矛盾を鋭く指摘する。
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 事実の証明-3  (2013/01/03(木) 10:28:32)
事実の証明-3

 利佐子の保存血液の鑑定時点から逮捕まで約四年間の遊びがありますが、「服用
から発症まで約二時間」 の問題が絡んでいると私は考えています。血液の保存が
混入を防ぐ完璧な状態であるなら、遊びはなかったはずです。保存の杜撰さが、捜査
当局が服用から発症まで約二時間を乗り越えられず、逮捕に踏み切ることができな
い障害でした。別件で逮捕に踏み切るのは、一部のマスコミが事件を大々的に取
り上げてアジテーションを行ってからです。私には、マスコミが裁判の第一審を担当し
ていると感じるほどでした。逮捕されてからも、服用から発症まで約二時間の問題は
解決されていません。検察側の立場から、公判でこの問題が解決されたように見せ
掛けがあったのは第一審の事実審理が終わる間際です。

 原審では、検察官が様々な状況証拠を提起して有罪と断定し、裁判官はそれを認
定します。私は無罪を主張して、その状況証拠にすべて反論しました。保存血液から
の両毒の検出でさえ、保存が杜撰であったことから状況証拠と見られて当然です。
これらの状況証拠が、有罪の証拠となるか、無罪の証拠となるかは、私が示している
「三つの事項」 と「一つの事柄」 が、崩せるか、崩せないかによって決定します。
言い替えれば、状況証拠を道理にかなったように工夫して有罪に見せ掛けても、
「三つの事項」と「一つの事柄」 が崩せなければ、状況証拠はすべて無罪の証拠と
なるのです。

 心停止後の血中濃度の動態について、次のような主旨の証言がある。

 琉球大学のO助教授は、心室細動も心停止の一つであると証言する。
東北大学のS教授は、心停止後の血中濃度の上昇は非常に考えにくいと証言する。
東京理科大学のF教授は、死亡後、血中濃度は増えるわけがないと証言している。

 心肺停止後の血中濃度の上昇については、この証言から、その可能性はないと言
えます。よって、一二五.七ng/mlという血中濃度は、心肺停止時にはその濃度まで
上昇していたことになります。グラフで示すと、利佐子の場合、図5のようになるこ
とはないと言えます。なお、図1から図5までのグラフは、曲線の形を明確にす
るため、C点の先を点線で描いていますが、実際には、曲線がC点から先、どのよ
うなカーブを描くか不明です。

グラフ-1.2
画像をクリックすると大きくななります。

 次に、心肺停止後に代謝や分解があるかという問題を検討します。

 東北大学M教授は、利佐子から血液が採取された約一年後の第一次鑑定と、
約五年後の第二次鑑定とのあいだに、測定値にほとんど相違がないことから、血液を冷凍保存し
ておけば、その中に含まれるトリカブト毒は、ほとんど分解しないと証言しています。

 よって、代謝や分解があったとすると、心肺停止から血液が採取されるまでの、
遺体で保存されていた二二時間のあいだが問題となります。

 東京理科大学F教授は、「死亡直後も酵素活性がまだ多少あるとすれば血中濃
度は減るだろう」 と証言し、
血液鑑定をしたM教授は、「分析方法として、アコニチンのほかにベンゾイルアコニン、
あるいはアコニチン、そういった代謝物、あるいは分解物を測れば、総量をもっと詳しく吟味できると思う」

と証言しています。


 これらの証言から、心肺停止後に代謝や分解があり、二二時間のあいだにアコニチン三毒
素が他の物質に若干形とも代謝および分解した可能性が指摘できます。よって、心
肺停止時のアコニチン系三毒素の総量が、一二五,七ng/mlより高かった可能性が
あります。以上から、「心肺停止時のトリカブト毒の血中濃度は一二五.七ng/ml以上で
ある」 と、「以上」 を加えることによって正確な表現となります。

 両毒が利佐子の体内に存在していたと仮定したことで、大変不自然な問題が生
じて、混入説が浮かび上がります。
この問題は「第一の事項」 全般に関わります。先ほどの両毒の鑑定結果を見ま
すとトリカブト毒は変換物質(代謝物および分解物) を含めず三毒素だけで
一二五.七ng/mlです。フグ毒は変換物質を含めて二六.四ng/mlです。そのうち
変換物質(4-エピテトロドキシンおよびテトロドン酸) が約九七.七%です。

 M教授は、トリカブト毒の変換物質であるベンゾイルアコニンおよびアコニンを測定すれ
ば総量をもっと詳しく吟味できると証言しています。


 両毒が利佐子の体内に存在し、その結果、採取された血液から両毒が検出され
たとすると、両毒は同一の血液に含まれて数年間冷凍保存されていたのですから
、フグ毒の約九七.七%の変換物質は、遺体で二二時間冷蔵保存されているあい
だに、変換したのかという疑問も生じます。しかし、これが不自然なのです。先のF
教授の証言から考えると、若干の変換はあるのかと受け取れますが、約九七.七
%も変換するとは考えられません。フグ毒は冷凍保存でも、変換の可能性がある
のか考えてみましたが、一般に行われている血液検査のための冷凍保存では、血液
に含まれる、ほとんどの物質が、変換がなく成分が固定されると効いていますから
、フグ毒も、冷凍保存で、成分が変換することはなく、固定されると推定できます。

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