事実の証明

心残りのまま永眠した 神谷 力 氏の手記。 トリカブト事件を冤罪と断定し、 判決の矛盾を鋭く指摘する。
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 事実の証明-2  (2013/01/02(水) 06:04:30)
事実の証明-2

 この事件には、多くの謎が含まれています。トリカブト毒は、ほんの微量を口に
含むだけでも、ぴりぴりという下を刺すような刺激と、ひどい苦味で、そのままで
は口から摂取することはできません。自殺など覚悟の上で服用する以外は、そのま
ま服用することは不可能です。よって殺人の道具に使用するなら、料理などに微量
を混ぜてその料理を大量に食べさせるか、カプセルに詰めて服用させる以外ありま
せん。この事件の場合は、カプセルで服用させたことになっています。ですから、
カプセルに詰められる毒量や、どのようなきっかけでカプセルを服用させたかなど、
この事件では、数々の謎を解いていかなければなりません。
謎解きというと、思い出されるのが推理小説です。私がもし、この事件を推理小
説に仕立てるとしたら、謎解きの中心には、やはり服用から発症までの経過時間を
据えるでしょう。

 利佐子が殺されたとするなら、高額な生命保険を掛けた私が殺害したことは容易
に推理することができます。ほかに犯人がいるか? という隠された事情の存在も
希薄ですから、ほかの犯人を探すという謎解きには馴染みません。利佐子は、殺さ
れたのか、病死なのか、ということが、数々の謎解きの結果としてわかるだけです。
私が犯人でなければ、ほかに真犯人がいるという事件ではありません。

 この事件の謎を解くには、充分な論理的思考とその展開が要求されます。第一審
判決と、それを踏襲している控訴審判決が、論理的に展開されているか全く疑問で
す。推理小説は論理の美を描くと、最近読んだ本に出ていました。判決が推理小説
と違うことは言うまでもありませんが、それでも推理小説と同じように、筋道の通
らない判決は、いくら組み立て方が上手でも私は美しさを感じません。

 判決公判から八か月後に判決文が出来上がりますが、それまでに私の手元には、
公判でメモノートに記録していた鑑定書の大部分と、ぜひ必要な証人尋問調書とを、
コピー代を工面して弁護人から送付してもらいました。判決文を受け取るまでに、
私はそれらの裁判資料を熟読します。その結果、利佐子が病死であることを証明する
「三つの事項」と「一つの事柄」 によって、私の無実が完璧に論証できる見通しがつきま
した。

「三つの事項」 とは、

第一の事項
 「利佐子の最初の自覚症状の訴えから、心肺停止までの経過時間などの諸条件を考察
すると、仮に、トリカブト毒とフグ毒を服用したとしても、その服用した時間帯が特
定され、その時間帯は、証拠上、利佐子がカプセルを服用した事実はないと認定され
ている時間帯であること」

第二の事項
 「利佐子は、トリカブトの塊根およびフグの内臓から、アルコールで抽出・濃縮した、
抽出物質を詰めたカプセルを服用したとされているが、そのカプセルの容量には限界
があり、利佐子が服用したと推定される毒量は、服用したとされるカプセルには詰め
きれないこと」

第三の事項
 「利佐子が服用したとされるトリカブト毒は、事前に、被告人が抽出・濃縮を行ない、
密閉ガラス瓶に保管していたものをカプセルに詰めたとされているが、そうであれば、
利佐子の血液および密閉ガラス瓶から検出されたトリカブト毒の、アコニチンとメサコ
ニチンの成分比率がほぼ同じでなければならないものが、大幅に相違すること」

「一つの事柄」 とは、

 「トリカブト中毒死の場合、例外なく、死亡に至る最終的症状は心室細動ですが、なつ江
は死亡時の入院で、発症から死亡まで心室細動は一切現れず、死亡の時は静かに心臓の
動きが止まる心静止です」。

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